今話題の「米債務上限問題」とは、米国政府が国債を発行して調達する借金の金額が、定められた上限に近づいたり到達したりすることによって、米国の財政赤字の拡大や、財政問題そのものが懸念される問題のことをいいます。
この記事では、債務上限の基本的な概念とその影響について解説します。
債務上限とは?
まず初めに債務上限とは、政府が借金をする際に設定される特定の金額の上限を意味します。これにより、政府の借金があまりにも増えすぎないように制約をかけることができます。一般的に、債務上限は国会や議会で決定され、法的な制約として適用されます。
債務上限が設けられる理由はいくつかありますが、第一に、財政の持続可能性を確保するためです。政府が無制限に借金をし続けることは、将来的に経済への悪影響をもたらす可能性があります。皆さんも”生まれた瞬間に◯円の借金を背負っている”なんて言葉を聞いたことがあると思います。これは正確には間違いですがわかりやすいイメージです。債務上限は、財政の健全性を保つために政府の借金を制約することで、経済の安定性を守ろうとする仕組みです。
また、債務上限引き上げ問題は、国内外の経済にも影響を及ぼすことがあります。債務上限引き上げが円滑に行われない場合、市場への不安が広がることがあります。それによって国債の信用格付けが低下し、金利の上昇や為替の変動などの経済的な影響が生じる可能性があるからです。
今回でいえば“今回こそアメリカのデフォルト危機だ”なんて噂が広まることで為替変動や株価にも不穏な空気が漂いました。
話は米債務上限問題に戻りますが、直近の米国では2011年、2017年にも債務上限問題が話題になっています。しかし、米国では1960年以降、債務上限は78回も見直されており、債務が上限に達するのは決して珍しいことではなく、定期的に起こる出来事ともいえます。そのため債務上限の規定を撤廃するべきではないかという提案もなされるようになっています。
債務の内訳は?
米国債務の大半は年金やメディケア(日本の年金や社会保障といったもの)などが占めており、他の支出の金額は、これらと比べて少額といえます。年金などの根本的な問題に手を付ける意志は共和党にもなく、この問題に手を付けるか増税をしなければ債務は増え続ける一方です。
結果的に今回も無事、債務上限の引き上げが可決されたようです。
日本の債務上限について
ちなみに、日本では債務上限が定められていません。
つまり、借金を無制限に増やし続けることが可能な国なのです。
その理由をいくつか挙げます。
日本は安定した財政基盤を持ち、世界的に信頼された国として認識されており、その信認度が高いことが理由の一つに挙げられます。日本でも債務上限を設けていたならば、おそらく米国と同様に上限の引き上げが繰り返されるのではないかと思われます。
また債務上限を設けると言うことは財政運営に制約を課すということになり、国内外の課題に柔軟に対応しなくてはならない日本にとっては足枷になり得ます。
こういった理由から、現在の日本では債務上限を設けていないのです。
今回は、債務上限の基本的な概念と、政府と経済に与える影響について解説しました。

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