iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度です。基本的に20歳以上65歳未満の全ての方が加入でき、加入は任意になります。
NISAと並び注目を集めているiDeCoの基本的な内容から、注意すべき落とし穴、実際の申請方法を徹底解説していきます。
基礎知識
拠出期間(掛け金で商品を新たに購入し続けることができる期間)
加入後、65歳未満まで
運用期間(購入した商品を運用し続けることができる期間)
75歳未満
受取期間
60-75歳までの間に受取開始
受取方法
一時金 or 年金 or それら併用
受取り対象
①障害給付金 非課税
:病気や怪我などをした時に引き出すことができるお金。
障害給付金受給対象
•障害基礎年金(1〜2級)
•身体障害者手帳(1〜3級)
•療育手帳(重度)
•精神障害者保健福祉手帳(1〜2級)
②死亡一時金 非課税枠あり
:加入者本人が死亡した場合に、遺族が引き出せるお金。ただし遺族が請求しないと受け取れないので注意が必要。
500万 × 法定相続人の数(3年間に限る)
3年を過ぎた場合、一時金の受け取りはできるが、非課税控除枠が使えなくなるため注意が必要
③老齢給付金 課税
:60-75歳までの間に受取りがはじめられるお金。ただし加入期間が10年未満の場合は受取開始時期が後ろにズレます。
控除
退職所得所得控除
控除額の計算方法
勤続年数 × 40万
例:20年勤務の場合 20年 × 40万 = 800万
勤続年数が20年を超えるとその先は一年につき70万に枠が拡大される。
例:30年勤務の場合 (20年 × 40万) + (10年 × 70万) = 800万 + 700万 = 1500万
※iDeCo場合は加入年数✖️40万
退職金を複数回にわたって受け取る際、重複期間がある場合には、今年の退職金の勤続年数に基づき算出した退職所得控除額から、重複期間の年数に基づき算出した退職所得控除額相当額を控除した残額が退職所得控除額となります。簡単にいうと、退職所得控除は何度でも使えるが、2回目以降は一定期間を空けないと控除枠をフル活用できなくなります。そのため退職所得控除額をフルで2回使うためには以下のようなタイミングで受け取らなければなりません。
① 勤務先から退職金を受け取ってから20年以上後にiDeCoを一時金で受取る。
② iDeCoを一時金で受け取ってから5年以上後に勤務先から退職金を受取る。
同年に退職金とiDeCoの両方を受取る場合
退職一時金と確定拠出年金の加入期間のどちらか長い期間を基準にし、重複していない期間を足します。(退職控除を計算する際の勤続年数が、25年1か月だった場合は26年とします。)
公的年金等控除
65歳未満の場合
年額60万までの年金が非課税
65歳以上の場合
年額110万までの年金が非課税
ただし、国民年金のほかに厚生年金などを受給する場合は年額110万を超える可能性があるため、そういった場合はなるべく一時金で受け取ったほうが控除枠をフルで活用できます。
メリット
•掛け金は節税対象に
•資産運用で儲けた利益は非課税
•受取の際、税金はかかるが控除が使えるので特定口座で運用するよりはお得。一時金として受取る場合は退職所得控除、年金として受取る場合は公的年金等控除が使用できる。
•iDeCoは差押禁止財産であること。ただし国税の滞納等による差し押さえは例外となる。
デメリット
•運用益は非課税だが、老齢給付金として受取る際には税金がかかる。
一時金 → 退職所得として課税
年金 → 雑所得として課税
•受け取り間際の暴落
対策としては、
→ 受取前5年程度を目安にリスクが低かったり、
元本保証タイプの商品に切り替えておく。
→ 受取を遅らせてタイミングを待つ。
その他費用
①口座管理料
早く受取終えた方が管理料の支払い期間は短くて済む。
②給付事務手数料
一回につき440円掛かるため、一時金で受取る場合は440円。
年金として受取る場合は、受取分割回数 × 440円となる。
申請方法
ここまでiDeCoの概要やメリット・デメリット、控除に関する内容を説明してきました。最後に肝心の給付の申請方法と、受け取りまでにかかる時間について説明していきます。
①ご請求要件の確認
ご自身が老齢給付金のご請求要件を満たしていることを確認します。
・60歳以上で、かつ加入期間が10年以上であること。もしくは障害給付金、死亡一時金の対象であること。
②必要書類の入手
次に、裁定請求手続きに必要な書類を入手します。既にお手元に必要書類がある方は、必要書類の記入・提出をおこないます。
③必要書類の記入・提出
必要書類がお手元に届きましたら、ご記入のうえ添付書類と共にJIS&Tへ提出します。
④裁定結果の確認
JIS&Tで裁定が終わりましたら、「裁定結果通知書」を郵送してその結果をご連絡します。
裁定結果が「支給」の場合、給付金お支払のため、JIS&Tにて個人別管理資産の現金化(運用商品の売却)を行います。
⑤給付金のお受け取り
運用商品の売却が完了し、お振込日とお振込金額が確定したら、「お振込報告書」を郵送してその結果をご連絡します。※裁定請求書類のご提出から給付金のお受取まで、1~2ヵ月程度かかります。
申請はこちら☜ JIS&T(ジス・アンド・ティ)の申請サイトに移動します。
まとめ
運用益は非課税とはいえ、これは運用中にスイッチングを行った人にしか恩恵は無く、iDeCoに加入してから一度も金融商品を変更しない人には関係のない事である。ここでいう恩恵とは商品を一度売却する事で、含み益を非課税で利益確定させる事ができ、その資金を次に購入する商品の元本として注ぎ込む事ができることを指す。
もちろんこの方法で運用益を最大化させるには、商品の運用利回りであったり、スイッチングするタイミングが重要であり、これらを理想的に操作することは容易なことではなく、一度も商品を売却しなかった人と比較してパフォーマンスが下回る可能性も十分に考えられる。
したがって、安全に確実に運用していくのであれば無理にスイッチングはせず、受取りを開始する数年前から、もしもの暴落に備えリスクの低い金融商品にスイッチングするというスタイルがいいのではないかと私は考えている。
そして、iDeCoの受取の際は、税金のことはもちろんですが、その時の運用状況や、ローンの返済などを含めた生活状況をみて、賢い方法を選択してもらえればと思います。
最後にiDeCoに加入している方は、もしもの時に備えて家族やパートナーにはその旨を伝えておきましょう。

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